【町域の７割が山林の小山町】
平成22年の台風襲来を受け山地強靭化に取り組み始める
─小山町の地理的概要を教えてください。
勝又 人口は１万8,500人ほどで、面積は135.74㎢。町域の７割くらいが山林で、西に富士山、北は丹沢山系から南は箱根山系の金時山と山に囲まれています。標高でいうと、役場周辺の標高が240ｍ、富士山頂も町域に含まれるので、3,776m までが小山町の町域になります。
─ 7割が森林という町で、一番の課題は。
前田 富士山の噴火によって形成された土地なので、火山灰や軽石が厚く堆積し土砂崩れが起きやすいため、大雨が降ると樹木の根ごと流れ出てしまいます。平成22年９月の台風９号襲来時には、樹木が川まで流れ出る土砂災害が起きました。斜面が脆弱であるため防災対策が一番の課題です。
勝又 国で「国土強靭化対策」が進められていますが、小山町でも平成22年に山地災害が頻発したことから、「山地強靭化対策協議会」を発足しました。大規模災害の部分では国や県の力を借りて対策を続けつつ、地元の皆さんも一緒になって、有事に被害が拡大しないよう日頃から山に関心をもって手当てをする活動をしています。今年で６年目になりましたが、「国土強靭化大賞」を防災部門で2017 ～ 2019年の３年連続受賞し、山地強靭化の方では2017年に金賞、2019年に最優秀賞を受賞しました。
─具体的にはどのような取り組みを。
前田 火山灰や砂が堆積した土地、箱根近くの溶岩の多い土地など、地域特有の脆弱性がありますから、５地区に分けて対策を進めています。火山噴出物を有効活用した山の補修、土留め等の構造物による機械を使わずに人間の手で可能な防災対策、植林、鳥獣害対策も進めています。
（取材日／2019 年４月22 日）
小山町役場
〒410-1395 静岡県駿東郡小山町藤曲57-2
TEL ／ 0550-76-1111
URL ／ http://www.fuji-oyama.jp/
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