【地域課題とドローン導入の経緯】
北アルプスの地・小谷村におけるドローンの利活用
―小谷村の地理的な特徴や課題をお聞かせください。
長野県の最北西部に位置する村で、総面積の86％は森林です。村の中央を流れる姫川を底辺に、標高1,600~2,800mの高山に囲まれた急峻な渓谷型の地形なので、村内の”地すべり防止区域”は9 箇所にのぼります。毎年大雨のたびに土砂災害が起こるような土地なのですが、若年層が都市部へ流出し消防団員が減少しているので、有事における人手不足が深刻になってきています。
―ドローンを導入した経緯は。
農林係では航空写真等を使って農地の地図を作成し管理しているのですが、従来かかっていた莫大なコストを削減して更新頻度を上げ、より的確な農地管理ができるよう、平成30年度にPhantom 4 Pro V2.0を導入しました。また、農地や農業用施設、林道に災害が起こった際、現場を俯諏的に撮影するという目的もありました。ドローンでなければ撮れない構図が国への補助金申請の際に大変役立っており、今では無くてはならない位置づけになっています。
―農林係以外でもドローンの活用事例はありますか。
60周年記念事業のときに、3年間撮りためた空撮映像を村民各家庭に配りました。観光分野では外部の業者様に委託する形でドローンを活用しています。
令和元年7月には、河川事故における人命捜索に農林課保有のドローンを使った例もあります。発見したのは人の足では近寄りにくい場所でした。捜索範囲が広がることへの有効性に加え、ドローン導入前であれば消防団員が危険を冒して捜索し、二次災害になりかねなかったものが、より安全に捜索できるようになったことは、非常に有益だと感じています。
（取材日／2020年5月14日）
長野県小谷村
〒399-9421 長野県北安曇郡小谷村大字中小谷丙131
TEL／0261-82-2001
URL／http://www.vill.otari.naganojp/www/index.html
コロナ特別号 with / after コロナ時代のドローン新活用
EDACでは、年々広がりを見せるドローン等を活用した課題解決の取り組みを推進すべく、自治体や企業等によるドローン等先端技術の利活用事例を取材し、EDAC会員の皆様へ会報誌として展開しております。 この度、11名の識者によるwith / after コロナ時代における新たなドローンの活用や展望についてまとめた会報誌特別号を発刊いたしました。通常はEDAC会員の方にのみお送りしておりますが、新たなドローン活用の普及展開のため、今回は特別に下記のサイトよりお申込みいただいた方にも有料にてお送りいたします。
コロナ特別号 with / after コロナ時代のドローン新活用 販売サイト