レベル4解禁社会実装に向けた兵庫県の『ドローン先行的利活用事業』

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兵庫県庁産業労働部産業振興局新産業課情報・産学連携振興班香山和輝

【兵庫県の概要と課題】

災害対策強化、人口減少など地域課題の解決に向けた動向

―まずは兵庫県の概要を教えてください。

準時子午線（東経135度線）が通っております。北は日本海、南は瀬戸内海を通じて太平洋につながり、変化に富んだ多様な気候と、都市部・農山村・離島まで多彩な地域から構成されています。また、5つの旧国（摂津・播磨・但馬・丹波・淡路）の歴史・文化がそれぞれに育まれています。このような特徴から、兵庫県は「日本の縮図」とも呼ばれ、ドローンの実証実験を行うにあたっても、あらゆるフィールドが存在するという利点があります。
兵庫県は、人口約540万人・面積8,400平方キロメートル・市町数29市12町と、規模の大きな県ですが、少子高齢化と人口減少が年々進み、特に都市部への人口流出による農山村部の人口減少・担い手不足の問題が顕在化しています。

この課題の解決に、ドローンが重要な役割の一端を担うと考えています。人手不足を補うためにも、産業の活性化を図るためにも、Al、loT、ロポット等のテクノロジーは、今後ますます重要になってくるでしょう。県が策定した『兵庫2030年の展望』でも、革新技術の活用、先端産業の成長、先端分野の研究・開発者や技術者の集積などが、2030年までに実現すべき目標として掲げられています。

―その他に重視している地域課題はありますか。

何といっても災害対策です。1995年1月に阪神淡路大震災を経験しましたし、近年は台風や集中豪雨の被害が増えています。岡山県を中心に激甚災害となった平成30年7月豪雨では、兵庫県内でも土砂崩れが相次ぎ人命も奪われています。その翌年に台風21号が襲来した際には、各地の浸水に加え、高潮によって六甲アイランドや神戸の港部でコンテナが流れて火災が発生し、大きな被害が出ました。大規模な水害が立て続けに発生していますので、地震とあわせて豪雨災害への対策は緊急課題といえるでしょう。

兵庫県には多様な気候や士地がある分、地震・大雨・高潮・大雪といった様々な災害が想定されます。温暖化の影響で雪は減少傾向ですが、今冬は北陸地方で大規模な豪雪被害がありましたので、当県でも備えが必要です。

（取材日／2021年2月19日）

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